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RE 計画手法から生成手法へ

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私たちは、学校や両親から「キチンと計画を立ててから物事を進めなさい。」と教えられてきました。

もちろん、計画を立てることは非常に重要です。

ただ、今世紀に入ってから計画通りに行かないことが多くなってきているように思われます。

これは計画そのものが悪いというより、順序の問題ではないかと思います。



計画手法というのは、PLAN(計画)→DO(実施)→SEE(評価)という流れです。

多くの企業や政府機関もこの流れで仕事を進めています。

国の予算であれば、あらかじめ決まったものを執行するだけですからあまり問題は起きません。(年度末になるとやたらに道路工事が増えるのは困りますが・ ・・)


企業の予算も基本は同じですが、国家予算とは違い市場の変動で計画通りにならない事態も増加しています。

売り上げや利益の下方修正(たまには上方修正)は、大企業でも日常的になってきているようです。


この原因の一つが、市場(マーケット)の流動化だと思います。

モノがない時代には、企業が生産したものはほとんど売り切ることが可能でした。

しかし現代はモノがあふれてきて、消費者が選択できる幅が広がっています。そのため、よく売れる商品と、全く売れない商品が混在しています。


いわゆるマーケットが読めない時代です。


企業側は、それに合わせて例えば「リーン・スタートアップ」のような手法で対応しようとしています。

これは、DO→SEE→PLANのサイクルで、とりあえず小さくやって見て修正を繰り返して市場のニーズに合わせる商品開発の手法です。

この手法で成果が上がっている企業も多くあります。


ただ、これも初めに商品ありきの範疇を出てはいません。


もっと市場が流動的になって、まるで生き物のように振る舞うようになったら、今の手法では対応が厳しくなる気がします。

だとすれば、生き物を扱う手法を適用するのが自然です。

例えば赤ちゃんを育てるお母さんはどんな対応をしているでしょうか?

航空会社のフライトスケジュールのように、何時にミルクをあげて、何時にお散歩に連れ出して、何時にお昼寝というPLANに沿って実施しても赤ちゃんは大変なだけです。


赤ちゃんが泣いたら、お母さんはなぜ泣いたのかを探るために赤ちゃんをよく観察します。

お腹が空いたのか、オムツが汚れたのか、寂しくて泣いているのか・・・(SEE)

それがわかったら、どうするかを決めて(PLAN)実施します(DO)


キャベツを育てる農家の方も、同じ対応をしていると思います。雨が降っているのに、今日は水を上げる計画だったから無理に水をまくことはしません。

つまり、生き物を扱う手法はSEE→PLAN→DOのサイクルではないでしょうか。


まず、マーケットを良く観ることから始める必要があると思います。

見るというと、最近言われているビッグデータの重要性もその一つです。

クレジットカード情報や交通系カード情報から消費者の動向を読み取り、より細かなサービスを提供する試みの一つで素晴らしい面を持っています。


ただ、このデータはあくまでも消費者(生活者)の行動の結果を表しているものです。


企業側が提供した商品・情報・サービスが購入されたり消費された結果を示しているもので、消費者(生活者)がその商品に対してどう思ったかについては分かりません。

喜んで購入したのか、他になかったから仕方なしに使っているのかは分かりません。本当はそれが最も重要なデータだと思います。

消費者(生活者)が本当は何を欲しかったかを表わしているわけではしません。

もちろん過去の行動を解析するには役立つデータです。

しかし、これからどのように行動するかは予測でしかありません。

消費者(生活者)ニーズを先に観ることが、とても大切になって来ると思います。

ここに難しい点が一つあります。それは、消費者(生活者)が自分のニーズを的確に表現するのが非常に難しいということです。

企業のアンテナショップや消費者(生活者)へのグループインタビューでもニーズをつかまえるのは大変です。


REワークでは、ゼロサイクルという手法でそれを可能にしています。


ゼロサイクルの最初のステップは「ゼロで聞く」というものです。(U理論でいうセンシングという手法に近いと思います。)

次回は、ゼロサイクルについてお話しします。










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